副大統領指名が期待され、トランプ勝利の鍵を握るといわれるオハイオ州知事ジョン・ケーシックってどんな人?【米大統領選】

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・トランプ、クルーズ、ルビオの3氏が子供の喧嘩じみた言い争いを繰り広げるなか、オハイオ州を財政的に立て直した敏腕知事、ジョン・ケーシック氏は一人、冷静に政策を語り続ける。

・レーガン政権時代からホワイトハウスで、そしてその後はオハイオ州で実績をあげた経験豊富な政治家、ジョン・ケーシックはヒラリー・クリントンと1対1で対決した場合、最も大差でクリントンを破るという調査。

・民主党の元候補者で元海兵隊のジム・ウェッブはMSNBCの番組で「(ベンガジのアメリカ人に必要な防衛を与えなかった)ヒラリー・クリントンには投票しない」と発言。トランプについては「(投票するかどうかは)まだ分からない。」

実質的に離脱したベン・カーソン氏を除き、共和党候補者の中で唯一トランプ氏を個人攻撃したことのないケーシック氏。多くのアンケート調査で、共和党候補者の中でヒラリー・クリントンに最も大差で勝つ、という結果がでている氏は、2大政党に所属していない中立票、反クリントンの民主党票を取り込むことができる人物だ。

さらに、オハイオ州で62%の支持を誇る知事であるケーシックは、大統領選で、本来民主党の支持が高い「ブルー・ステート」であるオハイオ州を勝利するために大きな力となる。ちなみにジョン・ケネディー以来、オハイオ州で勝利せずに大統領になった人は存在いない。

やがて共和党候補者としてクリントンと対決するトランプ氏が、ケーシック氏を副大統領に指名しないのは大きな過ちになるかもしれない。

2月のインタビューではは、副大統領に求める資質を聞かれたトランプ氏は「政治経験を持つ人物」を選ぶと答えている。「私と同じようなアウトサイダーは2人もいらないからね。」

そして、今日のCNNのインタビューではケーシック氏は「誰が共和党の候補になっても支持する。」「まだ今のところ、トランプは立候補資格の喪失レベルの発言をしていない。」「もちろん、誰がが大統領の資格喪失レベルのとんでもない発言をしてしまう可能性はこれからもあるけど、それはこれから分かること。」

アメリカ人は問題発言をしても、根に持つことがあまりないし、忙しい生活ではすぐに忘れてしまいがち。ケーシックをパートナーに、トランプが問題発言を少し控えるようになれば、多くの票を獲得できるだろう。

2008年、2012年と続けて大統領選に出馬し敗北したミット・ロムニーが、ルビオ、クルーズ、そしてケーシックに一致団結してアンチ・トランプ包囲網を作ろうと呼びかけたことも今日のFOXニュース主催のディベートでは触れられた。

しかし、負け続けている共和党エリートの象徴であるロムニー氏に、もはや、政治的影響力はない。トランプ氏は「ロムニーは敗者でしょ。もう一度政治に関わろうと必死だけど、もう過去の人。」

選挙戦の鍵を握るジョン・ケーシック氏は「ロムニーが僕の戦略を決めることはできないよ」と一蹴した。

そもそも、過去にオバマ大統領の「出生地証明」をトランプ氏が持ちだした時には、こぞってトランプのバンドワゴンに乗ってきたロムニーやジョン・マケインといった共和党エリートが、今になってトランプを叩くというのもおかしいという批判もあるようだ。

共和党の勝利のために、超保守派組織ティー・パーティーの台頭を受け入れたのもロムニー氏を含む「勝利のためには手段を選ばない」エリート達だ。それでも失敗してきているのだから、2016年現在では誰も耳をかさなくなってしまった。

共和党の候補者選を取り仕切る共和党全国委員会(RNC)の会長のレインス・プリバスは「誰が候補者になっても、共和党は100%支持する」と明言している。

また、下院議長の共和党ポール・ライアンはロムニーの動きに賛同するかを聞かれたが、「もし『保守』の概念が捻じ曲げられる状態になれば」声を上げる、と答えるにとどまった。

また、共和党の有力議員、ボブ・コーカーは「共和党は、国民の意見を誘導しようとするよりも、国民の声に耳を傾けることに力を注ぐべきだ」としてロムニー氏を牽制している。

レーガン政権からクリントン政権まで、防衛分野で豊富な実績を持つジョン・ケーシック氏は日米同盟の強化のためには歓迎すべき存在。ケーシックは反中国、反北朝鮮の包囲網のなかで日本の役割を非常に重視している。

TPPに関しては「輸出を生業にする多くのアメリカ人のために」、そして「中国の経済支配に対抗するために」支持するとしているため、「市場を制限し、通貨操作をする日本とは、自由貿易はできない」というトランプとは反対の立場だ。

政府の健康保険への介入(オバマケアなど)、中絶などの社会問題では超保守なケーシック氏だが、その面では割りとリベラル寄りのトランプ氏とどうケミストリーが働くかは、これからの見どころとなるだろう。

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